
北京オリンピックが始まった。
平和の祭典としてはこれほど大規模な国家的イベントは存在しないのではないだろうか…。サッカーのワールドカップは知らなくてもオリンピックを知らない人はまず存在しないであろう。
その開会式のイベントをふと気づけばじっくり見入ってしまっていた。
出場国数の増加に伴うのか、回を経るごとに開会式は大規模かつ派手なイベントと化し、もはや「国家の見栄の張り合い」に思えなくもない。行政主導の国家体制を採用する国にとってはこれほどの国威発揚の場はないであろう。
その意味では世界でも有数の伝統と体面を重視するお国柄・・・どんな開会式になるのだろうかと注目していた。
もちろん・・・
天安門広場で戦車を引き廻す 等という趣味の悪い趣向はなく、非常に華やかかつ平和的にイベントは進行したわけであるが・・・(笑)。
著名な映画監督がプロデュースしたというイベントの展開は素晴らしく、東洋やアジアのカラーを十分に感じさせるものであった。
そうであった・・・。紙の実用化から火薬に羅針盤に活版印刷・・・中国は世界に誇る文化的功績を残していたのであった。高校生の頃の山川出版の教科書や用語集を思い出す・・・(笑)。シルクロードに海の道・・・中国の伝統は確かに偉大であると言わざるを得ない。
だが、少し気になったのは…そして「現代へ」という点への焦点がイマイチ絞りきれていなかったように思えたことだった。数々の伝統を踏まえて・・・そして現代へ・・・というのが一般的な筋であろう。なぜなのだろうか・・・なんだか腑に落ちない気分であった。
ひょっとすると、現代の中国に焦点を移すと「共産主義」にスポットを当てて肯定せざるを得なくなり、その建前を堅持しつつも大規模に市場経済や資本主義大国の外国資本を導入して国力を倍増させて経済の好調に拍車をかけようとする現在の中国にとって決して得な選択でないという計算なり配慮が働いたのではないだろうか・・・。
つまり、上り調子の中国経済とはいえ、「現在」にスポットを当てることはその国家体制とは相容れないはずの資本主義大国の面々と友好を図りながらの際どい経済躍進という微妙な部分にスポットを当てることにならざるを得ず、オリンピックをきっかけに一層の飛躍を遂げようとする今の中国にプラスにならないという判断が働いたように思えてならない。
何せ有史以来、
一度も普通選挙が実施されていない とも言われ、今となっては数少ない共産主義を掲げる世界の大国「中華人民共和国」なのである。オリンピックをきっかけに一層の経済躍進を見込むという、今までの飛躍を遂げた資本主義国の典型パターンの採用はそもそもの根底に大なり小なりの矛盾を抱えた部分があるようにも思えるのだ。
プロデューサーとなった監督も微妙な部分は避けて演出せざるを得なかったに違いない。そこで、過去の文化的遺産にのみ着目するというある種「中途半端な演出」になってしまったのではないだろうか・・・。
なお、ゲストであった谷村新司氏が、何かの拍子に
「コレは地球温暖化に向けてのメッセージなんでしょうか?」 といった趣旨の発言をしたような記憶があるのだが・・・それはありえないのではないだろうか・・・。
アメリカと並んで、いやアメリカ以上にCO2削減に反対の立場を取る世界第2位のCO2排出国である。先進国だけCO2を排出して躍進したのに、我々が躍進する今頃削減を持ち出すのは不公平ではないか・・・という訳である。なるほど、考え方によってはそれも一理あるようには思えるのだが・・・。
最終ランナーとなったロサンゼルスオリンピックの金メダリストの「オジサン」をクレーンで60メートル以上も吊り上げて会場中を空高くブンブン引っ張り回した挙句、聖火を点火させるのが関の山だったのだろうか・・・(笑)。
とは言え、各国選手の入場の際、背後でステップ踏みつつ手を叩いていた、往年の
スクールメイツ を思わせる白装束の中国女性陣のスタッフが、時間の経過とともに疲労の色が濃くなり、最後にはステップがばらばらになって「一糸の乱れない状態」どころか、「まったりと乱れ放題のカオス」になってしまっていた辺りに、やや「萌え」てしまったわけであるが…(笑)。
個人的に少し嬉しかったのは「台湾」が選手を送り込んでいることである。考えにくいことではあるが、もし中国が逆の立場であれば台湾に選手を送り込んでいたであろうか・・・ふと思い浮かんだ。
あと、小さい点に着目すれば、日本と時間が近いので、余り寝不足にならなくて済む…という細かい利点もあるだろうか・・・とは言え、逆に見逃してしまいかねないとも言えるわけであるが・・・(笑)。
風呂上りのビールを煽り、忘れかけていた冷蔵庫の餃子をさっとフライパンで調理して突付きながら見ざるを得なかった開会式であった・・・。
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