
最近無理に早起きしてサッカーを何度か見てたせいかやや体調が落ち気味でしたが…それにしても、スペインが優勝するとは・・・。
実は大のスペイン贔屓なのです。
同じ地中海のラテンの国でありながら、洗練された選手の多いイタリアと比べると…素朴というか…泥臭いと言うか…はっきり言うと多少田舎臭くもある(笑)。
データによると、1試合平均シュート数は20本以上で参加国中ダントツの第一位、パスの数も出場国で第一位だったとか…まさに攻め達磨サッカー(笑)。
国内リーグでも優勝監督が「攻撃的でない」というだけの理由で解任される国…笑っちゃいます。あるシーズンの開幕試合の平均得点が5点を超えることもあるとか…まるで野球です(笑)。
小柄な選手の多いスペインが電柱のようなドイツの大男に挑みかかる様は実に壮観でした。
ディフェンシヴが主流の現代サッカーにおいては奇跡と言っていいのではないでしょうか…。
サッカーは便利なコミュニケーションツールであるとともにその国を知るきっかけにもなります。
スペインといえば・・・闘牛とフラメンコ・・・という世界でも思いっきりベタなイメージがある国ですが…少し知るとなかなか個性的な国です。
言葉も基本的に4つ(カスティリア語=スペイン語、カタルーニャ語、バスク語、ガリシア語)もありますし、イスラムの征服の歴史もあり、多様性に満ちています。
フラメンコはジプシーの文化で、実はスペインではジプシーはよそ者扱いではっきり言うと嫌われ者の感すらあります。そんな連中の文化が僕達の国の象徴だなんて…と複雑なようです。
世界最高峰とも言われるリーガ・エスパニョーラの一方でスペイン代表チームが今までイマイチ振るわなかった理由にも、国というまとまりよりも地域の独立性の方が強かったことも原因の一つだったように思われます。
まだ高校生だった頃、世界史の「スペイン内乱」の争点がイメージできなくて、随分引っかかっていたのですが…今考えてもかなり複雑だな〜という気がします。
日本では「スペイン」と一言でまとめられますが、彼らの内心では、
一方で、スペイン=カスティリア=マドリード=フランコ=独裁=枢軸国の構図があり、
他方で、カタルーニャ=バルセロナ=人民戦線…の構図がありますが、そこには国際義勇軍が参戦していた上に、無政府主義やら共和主義やらなぜか当時の対立イデオロギーであった共産思想までが加わって実にわかりにくくなっています。とは言え、要は反フランコであり、アンチファシズムだったと認識しています。つまりはバルセロナはスペインでの反ファシズムの最後の拠点だったというわけです。
フランコ独裁政権時には各地域の自治どころか、カスティリア語以外の言葉さえ禁止され、サッカー場が自分達の言葉を話せる唯一の場所だったのだとか・・・。そしてこの状況はフランコ死去の1975年まで続きます。政権が大戦後までの長きに渡って温存された背後には、好調時には枢軸国側に近づくと共に不調時には連合国側に近づいた彼の巧みな外交手腕があったとされているようです。
レアル・マドリッド対FCバルセロナのエル・クラシコが盛り上がる背景にはこのような歴史的な経緯もきっと存在しているに違いありません。
沿革的にもバルセロナを中心としたカタルーニャはカロリング朝のフランスの影響が強く、一説にはカルタゴとの関係もあったとも言われ、いわゆる「スペイン」とはやや趣きが異なるようです。
以前スペインにいた頃、バルセロナからバスでピレネーを越えてフランスに入ると、当時まだEU前だったのでフランス警察のパスポートチェックがありました。バスはもちろんほとんどがスペイン人です。
「君達はスペイン人だね?」
と聞かれると
「違う!カタルーニャ人だ!」
と思い切りベタな対応を見せ付けられた思い出があります。この辺の心境は日本人ではおよそ想像できないレベルのようです。
またご存知のようにピカソのゲルニカはスペイン独裁に基づく、バスク弾圧がテーマです。言語系統・民族系統不明でヨーロッパ最古の人種とも言われるバスク人ですが、スペインでもフランスでも差別の対象とされてテロの問題などもある一方、日本では余り知られていませんが、バスク料理はヨーロッパで最高だとよく聞きます。
ジョージ・オーウェルの「バルセロナ賛歌」など、スペイン内戦には一時期随分はまりました。そしてこの時期はなぜかピカソ・ダリ・ガウディなど、スペインの天才アーティスト達が輝いた時期でもあります。
また、ガリシアはポルトガルとの繋がりが強く、一説にはケルト系人種の影響もあるのだとか・・・。
あるとき、スペイン人に
「なぜスペインには祭りが多いか知ってるかい?」
と聞かれたので
「え?単に陽気な国民性のせいじゃないの?」
と答えると爆笑されて
「違うよ!イスラム征服から国土を回復した記念の祭りの影響だよ」
と言われたのですが、本当かなぁ…今も真偽は不明です。
また、あるときは
「なぜスペイン人は夜に騒ぐか知ってるかい?」
と聞かれたので(スペインでは夜中12時に待ち合わせて朝まで騒ぐのが普通なのだ!!-笑)、やはり
「え?単に陽気な国民性のせいじゃないの?」
と答えるとまた爆笑されて
「フランコ独裁政権時代には夜間外出禁止だったからだよ」
と言われたのですが、やはり真偽は不明です(笑)。
僕は自分の推測もいい線行ってると思うのだけれど・・・やはり的外れなのかなぁ・・・(笑)。
そんな国内対立の構図が強く、その構図のもとで行われる激しい国内リーグで消耗してしまうせいか、今一つ振るわなかったスペイン代表が、ついに頂点に立ったということは、逆に考えればスペインが内戦と独裁の時代を経て、一つの国家としてのまとまりが成熟してきたといえるのかもしれません。
大袈裟ですが(笑)…フェルナンド・トーレスの華麗なゴールに魅せられる一方で、そんなことまで考えてしまった今回のEURO2008でした。
蛇足ながら付け加えると…シャビのMVPに異論はないが、個人的には攻守に渡って献身的なプレーでチームを支えた続けたセナをより評価したい。彼こそが真の意味での縁の下の力持ちであり、例えるならばまさに闘牛士のマントであった。
でも、ラウル・ゴンサレスが代表入りしていなかったのは今もちょっと納得がいかないなぁ…(笑)。
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